以前、通訳ガイド向けの気象情報の使い方講座を開催したことがあります。教室の都合で10月下旬開催となってしまい、受講者の方々から「もっと早く受けたかった」と言われました。台風シーズンに入りましたので、今回は台風の話を書きます。
台風は何個くらい日本に来るの?
こちらが台風数の平年値。
日本にはどれくらい台風が来るの?という質問に答えるには…
On average, about 10 typhoons approach Japan for a year and about three of them make landfalls.
平均して、年間約10個の台風が日本に接近し、そのうち約3個が上陸します。
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- 接近する: approach
- 上陸する: hit, make landfall
※hitには「(地震などが)襲う」という意味もあるので、幅広く使えます。
The typhoon hit the Shikoku island.
台風は四国に上陸した。
The area was hit by a large earthquake.
その地域は大地震に見舞われた。
ところで、上陸数はもっと多いような気がしませんか。
台風の被害が多い沖縄は通過とされるため、上陸数には含まれていません。
また近年は地球温暖化の影響もあり、日本付近で台風が発生し、そのまま上陸するというパターンも増えています。こちらは、過去5年間の台風の数。上陸数は平年値の2.7個よりも多いですね。
The number of typhoons hitting Japan has increased recently, probably due to global warming.
おそらく地球温暖化の影響でしょうが、日本に上陸する台風の数は近年増えています。
台風の進路を英語で説明する
まずは台風の進路を伝えてみましょう。
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- 台風進路予想図:typhoon tracking map
- 北上する:go up north
- 進路を(~に)変える : change the direction to ~
- ~を通過する、~を縦断する:pass through ~
- 予想である、見込みである:be expected to ~
最後の be expected to ~ は天気予報で頻繁に使う表現です。
<近づく前>
According to the typhoon tracking map, a big typhoon is approaching Japan.
It is now going up north in the North Pacific Ocean.
It is expected to change the direction to the east around Okinawa.
台風予想進路図によると、大型の台風が日本に近づいています。
北太平洋を北上しています。
沖縄付近で進路を東に変える予想です。
It is expected to hit Kyushu area and pass through the main island, Honshu.
九州に上陸後、本州を通過する(縦断する)予想です。
<通過中>
The typhoon is now passing through the Kansai area increasing its speed.
台風は速度を上げて関西地方を通過中です。
Tokyo will be affected by the typhoon this afternoon.
東京は今日の午後、台風による影響を受けそうです。
<台風が通過したあと>
The typhoon has finally passed.
台風はようやく通り過ぎました
Fortunately, the typhoon changed its direction and didn’t come to our place.
幸いにも台風は進路を変え、私たちの所には来ませんでした。
(気象庁HPより)
警報を説明するには?
警報には3段階あります。
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- 注意報:Advisory
- 警報:Warning
- 特別警報:Emergency Warning
特別警報が出たら、すでに災害が発生している可能性大です。
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- 大雨:heavy rain
- 洪水:flood
- 暴風:storm
- 波浪:high-wave
- 高潮:tidal-wave / storm surge
これらを組み合わせればOK!
大雨警報はheavy rain warning、暴風警報はstorm warningとなります。
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- 発表する、発令する: issue
- 解除する: lift
これらすべてひっくるめて例文にするとこんな感じです。
Heavy rain emergency warning has been issued in ○○ area.
大雨特別警報が○○地域に発表されました。
High-wave warning has been lifted.
波浪警報が解除されました。
そして発生する恐れがある災害は次の3つ。
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- 土砂災害:landslide
- 河川の氾濫:flooding of a river
- 低地の浸水:flooding of low ground
これらを次のフレーズの~に入れれば、文が出来上がります。
There is a possibility of ~.
~の可能性があります。
There is a risk of ~.
~の危険があります。
また、その場の状況を伝えるには…
The water level of the Meguro River is rising rapidly.
目黒川の水位がものすごい勢いで上昇しています。
The river might flood anytime soon.
その川はまもなく氾濫するかもしれません。
Roads are flooded due to heavy rain. It’s better to stay inside for a while.
道路が大雨により冠水しています。しばらく中にいた方が良いでしょう。
※floodの使い分け
「氾濫する」はfloodです。
「浸水する、冠水する」be flooded / get floodedで受け身の形をとります。
I’m afraid trains might be stopped due to the typhoon.
台風で電車が止まってしまうかもしれません。
The Tokaido Shinkansen line is delayed due to the typhoon.
台風の影響で新幹線が遅れています。
All the express trains are not operated.
全ての急行列車は運行していません。
The flights to Kyushu got all cancelled.
九州への飛行機は全て欠航になりました。
In case of blackout, be sure to have a backup battery for your mobile phone.
停電に備え、携帯電話の予備バッテリーを忘れずに持っていて。
+@ 最新の情報を収集 Safety Tipsを紹介
気象庁のHPで以下の最新情報をチェックしましょう。
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- 台風予想進路図 (日本に接近している時は1時間ごと)
- 警報・注意報
- 雨雲レーダー(高解像度降水ナウキャスト)
① 事前に警報注意報をチェック。
危険な現象のピーク時が分かります。
② 雨雲が接近してきたら、高解像度降水ナウキャストがおすすめ!
(気象庁HPより)
雨雲や強い雨の予測のほか、土砂災害、浸水、洪水の危険度マップが見られます。しかもかなり細かく。中小河川まで。スマホ対応もしています。表示されなかった場合は更新を押してください。
(例文)
Let me check the latest typhoon forecast.
最新の台風予報を確認しますね。
Typhoon tracking map is updated every one hour. So, I will check it again.
毎時間更新されますので、再度チェックしますね。
外国人旅行者に紹介する災害情報提供アプリSafety Tips
これは観光庁が監修しているアプリです。
台風だけではなく地震速報、医療機関や交通機関の情報も入っています。
予測地点が複数設定ができるので、設定を手伝ってあげると良いかもしれません。
また観光庁のTwitter災害情報アカウント @JapanSafe Travel や24時間コールセンターもありますので、紹介するのも良いですね。
I think we should avoid taking this route.
このルートを避けたほうがいいと思います。
It’s better to change our schedule.
予定を変更したほうがよいです。
だいぶ長くなりましたが、いかがでしたか?
気象庁の情報などは普段から見ておくと、いざとなった時にパパっと確認できます。
まだまだ台風シーズは続きますので、対応できるよう準備しておきましょう。